東京オリンピック目前!初心者でも楽しめる『障害馬術』観戦ガイド

2020/02/25

カテゴリ:色々なはなし / Pacallaオリジナル

 

こんにちは!Pacalla編集部です。2020年7月に東京オリンピックが開催されることは皆さんご存じの通り。それを目前に、馬術にも関心を持つ人が増えているようです。しかし、いざ馬術競技を観戦しようと思っても、大会の仕組みやルールがわからないという人も多いのでは? そんな方のために、今回は日本馬術連盟ご協力のもと、障害馬術を観戦するにあたって知っておくとよいポイントご紹介します。

 

障害馬術とは?見どころは?

障害馬術とは、競技アリーナに設置された障害物を、決められた順番通りに飛び、走行する競技です。障害物の落下や馬の反抗(馬が障害を飛ぶのを拒否する等)などのミスなく、早くゴールすることが求められます。選手の技術と馬の能力、さらに人馬の息が合わないと障害物を飛ぶことはできません。ですが、大きな障害の飛越に成功した時の迫力は満点!ダイナミックさと華麗さを兼ね備えた飛越や走行が障害馬術の見どころといえるでしょう。

東京オリンピック目前!初心者でも楽しめる『障害馬術』観戦ガイド本番前に障害物の下見をする選手たち

 

障害馬術の基本的なルールを知ろう

障害馬術には障害物を落下させてしまうと減点となる『標準競技』と、落下をタイムに換算する『スピード&ハンディネス』があります。オリンピックで採用されているのは『標準競技』です。標準競技では走行を終え、減点が少ない人馬が上位となります。点数が同じで1位が複数になってしまう場合には、その中で最も走行タイムが早かった人馬が優勝するという方法と、ジャンプオフと呼ばれる優勝決定戦を行う方法があります。オリンピックの決勝戦では後者が採用されています。

障害馬術競技の様子障害馬術競技の様子

標準競技において、障害物を落下させてしまった場合には1回の落下につき4点の減点となります。他には馬が反抗した場合も1回目は4点の減点、2回目は失権という厳しいルールが。またすべての障害を飛び終えてゴールするまでの『規定タイム』というものがあり、超過4秒につき減点1点となります。

▼ペナルティについての詳細

障害馬術|ペナルティ詳細

 

≪豆知識!障害馬術競技の服装≫

障害馬術競技の服装障害馬術競技の服装

障害馬術では飛びやすさを重視した丈の短いジャケット(上らん)と白いズボン(白キュロット)に黒い乗馬ブーツ(長靴)、ヘルメットを着用します。通常は黒・紺といった色の規定がありますが、オリンピックなどの国別対抗戦では国ごとのカラー(日本は赤)のジャケットを着用。

 

障害の高さ・大きさはどれくらい?

まず日本馬術連盟が主催・公認している国内の競技会では、以下のように6つのグレードがあります。

日本馬術連盟が主催・公認している国内の競技会では、以下のように6つのグレード

そして、オリンピックなど世界トップレベルの大会になると、障害物の高さが一番低いものでも140cm、高いものだと165cmになります。また高さだけではなく奥行きも大きく、最大で200㎝ほどあるそう。

≪豆知識!馬はどれくらいの高さまで飛べる?≫

障害馬術競技の中には高さを競うものもあります。日本国内では2014年に199cmを飛越した馬がいるそう!世界では1949年に南米チリで高さ247cmを飛んだ馬がいるといわれています。

 

オリンピックの代表人馬はどうやって選ばれる?

オリンピックの代表選考の対象となるには、

(1)2020 年1⽉10⽇までに日本馬術連盟にオリンピック競技⼤会への出場希望を表明した選⼿であること
(2)2020年6月1日の時点でオリンピック競技⼤会の出場最低基準(MES)を満たし、ナショナルチームメンバーとして認定されている⼈⾺であること
(3)2020年1⽉10⽇時点で日本馬術連盟に登録があり、パスポート上※の所有者国籍が⽇本となっている⾺匹であること
※馬にもパスポートがあります。

以上3つの条件を満たしていなければなりません。

そして、上記の条件を満たした人馬の中から、2019年4⽉1⽇から2020年6⽉14⽇の期間に海外で開催されるCSI3*以上の競技会(上級クラスの国際競技会)および強化合宿における競技成績、パフォーマンス、⾺の健康状態、選⼿の健康状態、チームスピリットや振る舞いなどを総合的に評価され代表が決定します。

東京オリンピック出場意思表明人馬リストはこちら≫

 

オリンピック障害馬術競技、決勝までの道のりは?

さて、実際にオリンピックの大会ではどのように優勝が決まるのでしょうか?オリンピックの障害馬術には『個人戦』と『団体戦』があります。個人戦の場合には予選で上位30位までに残った人馬が決勝へと進むことができ、団体戦では予選で上位10位までに残ったチームが決勝に進むことができます。東京オリンピックでは障害馬術の出場枠は75!代表選手になれても、決勝にたどり着くのは本当に大変なことなんですね。

≪豆知識!日本人のオリンピック金メダリスト≫

日本ではマイナーな馬術競技ですが、実は過去にオリンピックの障害馬術競技で金メダルを取った日本人がいます。そのメダリストの名は『西 竹一』。帝国陸軍の騎兵将校であった西氏は1932年のロサンゼルスオリンピックで愛馬『ウラヌス号』とともに優勝を果たしました。
西竹一について詳しく知りたい方はこちら≫

 


 

いかがでしたか?
いよいよ数か月後に迫っている東京オリンピックですが、これで障害馬術の予習はバッチリですね。Pacalla読者の皆さんの中には、『馬が好き!』という方がたくさんいらっしゃるはず。これを機にぜひ競馬だけでなく、馬術にも目を向けてみてください。

次回は、馬場馬術についてお届けしたいと思います。こうご期待!

 

 

協力:日本馬術連盟
写真協力:ホースフェスタ(2枚目・5枚目の写真を除く)

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