【第3回】競馬のオタク訪問‼ ~北海道・様似を愛する馬主さん~

2018/07/04

カテゴリ:人のはなし / Pacallaオリジナル

こんにちは、Pacalla編集部です。
絶好調(?)の競馬のオタク訪問企画、早くも第3弾をお届けいたします!

今回は、都内に事務所を構える、税理士の小関勝紀先生にインタビューをさせていただくことになったPacalla編集部。

小関先生の事務所をGoogle先生で検索してみると…

 

小関勝紀税理士事務所

 

税理士事務所であるにも関わらず、公式サイトのトップページには競走馬が!
事務所の公式ツイッターアカウントにも、小関先生の馬と思われる競走馬の情報が!

 

 

…これはとっても面白いお話が期待できそう!
もう、ご自宅ではなくて事務所にお伺いしてしまいましょう…!と、満場一致で決定となりました。

ということで、前回まではとは少し趣向を変え、第3回競馬のオタク訪問‼ はご自宅ではなく、職場にお邪魔することに。

編集部は、税理士の先生にお会いするということで、普段は着なれない襟付きのシャツを着て、ドキドキしながら小関先生の事務所を訪ねました。

 

《住人プロフィール》

【お名前】小関勝紀さん
【ご職業】税理士
【競馬歴】子どもの頃から馬、競馬に慣れ親しんでいた
【好きな馬】タイテエム
【持ち馬】ジオパークミューズ、ジオパーククイーン、ジオパークボス、ユキノマイクイーン

 

様似町を盛り上げたい、その気持ちから馬主に

そんなわけで、事務所にやってきた編集部。
通された打ち合わせスペースの壁には、大きな北海道の写真が掛けられていました。

小関先生、今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。
さっそく恐縮ですが、後ろに掛けられているお写真は…?

 

アポイ岳

様似エリアがピックアップされている北海道の写真

「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。
これはね、北海道の様似にあるアポイ岳の写真です。
私は生まれも育ちも北海道の様似町ってところでね。
7年前から、住民票も様似町にあります。
アポイ岳は日高山脈の山で、かんらん岩っていう岩が露出していることで有名なんですよ。
様似には『アポイ岳ジオパーク』っていうのがあって、ユネスコ世界ジオパークにも加盟しています。
私は観光大使もやっているんです」

(Pacalla編集部の調べによると、ジオパークとは、ヨーロッパで誕生した地質遺産などの保全と活用を図るプログラムのこと。
なかでも「ユネスコ世界ジオパーク」に加盟するには、ユネスコの基準を満たす質と活動実績を有していることが条件となります。
日本のジオパークのうち、ユネスコ世界ジオパークに認定されているのはアポイ岳を含む8地域だけなんだそう!
伊豆半島は、今年認定されたそうです。
今年、2018年10月6日~8日には様似町で全国ジオパークの大会も開催されます)

》参考:アポイ岳ジオパーク公式サイト

 

小関先生は北海道のご出身だったんですね。
それでは、昔から馬はなじみ深いものだったんでしょうか?

「そうですね。
ずっと様似・浦河の牧場が身近にありましたし、子どもの頃にキャッスルって輸入繁殖牝馬の子が活躍して。
ケンサチオーっていう馬なんですけど、子供ながらに応援していましたよ。
それが競馬との最初の出会いかな(笑)。
社会人になって、忙しくて競馬と距離がある時期もありましたけど、少しでも地元の様似に貢献できればと思って、5年ほど前から馬主もはじめました」

それで馬主になられたんですか。
様似に貢献ということは、馬を購入されるのは様似の牧場で?

「もちろんそうです。
これまでに様似町の辻牧場、様似共栄牧場、高村伸一牧場、中村俊紀さんの牧場から購入しています。
町おこしのひとつと思って馬主をやっていますから、冠名にもジオパーク(一部ジオ)をつけていますよ。
いろんな人にジオパークサマニ(様似)って名前はいつつけるの?って聞かれるんだけど、様似の名を使うならよっぽど強い馬じゃないとねぇ…(笑)。
まぁ、名前をつける時点ではどこまで強くなるかなんてわかんないけど」

観光大使の鑑ですね…!

確かに名前をつける時点で強いかどうかは、わかりませんもんね(笑)。
その『わからない』ところが、競馬の面白さのひとつだったりもするわけですが。

「勝負は時の運…!
まぁ、私はそんなに高い馬は買わないしね(笑)」

でも、キタサンブラックのような例もあるわけで、夢は膨らみますよね。
それが地元である様似の馬だったら、喜びもひとしおですし。

 

育成牧場から送られてくる、愛馬の写真が楽しみ

これまでに様似の牧場で購入された、先生の愛馬たちについて聞かせていただいてもよいでしょうか。

「最初に買ったのはジオビートって馬。
でもね、すごく人が好きな馬で私が見に行ってもすぐ甘えてくるの。
こりゃ(闘争心がなくて)走るのはダメかなって思ったね(笑)。
ただ、本当に人になつく馬だったから、今は乗馬クラブでがんばっていますよ。

それから、今走っているのはジオパークボスとジオパーククイーン。
あと共同出資で、ユキノマイクイーンという馬も川崎競馬場で走っています。
ユキノマイクイーンは芦毛だし、アナと雪の女王が流行っていたので、そこから名前をつけました(笑)。
そんな名前をつけたのに、6歳になっても白くならないんだよね、これが!

もうすぐデビュー予定なのはジオパークミューズという馬(※)。
ジオパークボス以外は全部牝馬です。
最近は牝馬を買うことが増えているかもしれません」

※ジオパークミューズ:取材当時はデビュー直前でしたが6月17日に阪神競馬場で無事デビューを飾りました

牝馬を購入されるのは何か理由があるんですか?

「牧場が繁殖牝馬にしたいから返してほしいっていう馬を買っているんです。
牡馬で成績が悪かった場合に、うまいこと乗馬クラブなどの受け入れ先がないと大変だからね」

なるほど、繁殖に戻れると決まっているというのは馬主としては安心ですね。
生産牧場や育成牧場との交流は日常的にあるんですか?

「ありますよ。
育成牧場からは毎月のように自分の馬の写真が届くし…ほら、これとか」

そう言って、写真を見せてくれる小関先生。

育成牧場から毎月届く写真

育成牧場が日々、愛馬の成長を知らせてくれる

成長が感じられるのはうれしいですね!
こうやって時系列に見ていくと、馬体が仕上がっていくのがよくわかります。

「これはさっき言った、もうすぐデビュー予定のジオパークミューズ。
人も、生まれた時は『この子はもしかしたら総理大臣になるかも!!』なんて期待するけど、
人間も馬も、時が経つとよそに迷惑さえかけずに、無事でさえいてくれたらって気持ちになるから不思議なもんだよね(笑)。
あ、もちろん育成場も様似ですよ!」

デビュー前のジオパークミューズ

デビュー前のジオパークミューズ

ここまでのお話を伺って、本当に『チーム様似』という形で、競馬をされているっていうのが素敵だなと思います。
「牧場のファンをつくりたい」「牧場と競馬ファンをつなぎたい」と思っている私たちPacallaとしては、理想的な形だなぁと。

今回の記事も『様似の馬主』ってところを、大きく取り上げさせていただきたいと思っています。

「いやぁ、それだと色気をだして、他のところでもう馬を買えなくなっちゃうよ(笑)」

そうですね、浮気はできなくなりますね(笑)。
でも、やっぱり小関先生が馬を買うのは…

「様似だろうね! もうしょうがない!(笑)」

 

馬主になることで新たな出会いも

馬主になったことで、ご家族や会社の方の反応はどうですか?
皆さん、馬がお好きだったりするんでしょうか?

「いや全然。
女房や娘は私が馬主だってこともよくわかってないんじゃないかと思いますよ(笑)。
社員も競馬好きは一人くらい。

でも、馬主をはじめたことで、新たな人間付き合いっていうのが広がっていくんだよね。
面白いもので、馬主同士のお付き合いみたいなものが。

それで、馬の決算がわからないから教えてほしいとか、相談がきたりもするんです」

確かに税理士さんだと、そういうこともありそうですね。
お仕事にもつながっていくという…。
馬って決算が特殊ですし、節税まわりもあるでしょうし。

「そうそう、雑所得か事業所得かっていうのもあるし。
ちなみに、一口馬主は何十頭持っていても雑所得ですよ」

馬を持っている人が税理を依頼をするなら、やっぱり馬のことをわかっている小関先生のような方にお願いするのはとても安心ですよね。
イチから馬について説明する手間も省けますし。

 

愛馬のアイテムもすぐにプレゼントしてしまう

「なんだか様似のことばかりしゃべってしまっているけど、
ちゃんとインタビューを受けなくて大丈夫ですか?(笑)」

いえいえ、様似のお話がとても面白いですし、町おこしで馬主をやっている方のお話を聞くことができるだけでも十分なくらいです!

でも、一応お部屋にある馬関連のアイテムなどを見せていただく企画ではあるので、事務所にある競馬関連のものを拝見させていただいてもよいでしょうか(笑)

…ということで、小関先生が見せてくださったのがこちらの品々!

まずは愛馬が勝利したレースの写真から。
口取りに行けなかった小関先生のために、押し花のデコレーションをしてプレゼントしてくれたんだそうです。

ジオパーククイーン

ジオパーククイーンがレースに勝った時の写真

牧場からの記念品

こちらも牧場からもらった記念品

Pacalla編集長も初めて見たという、下図の冊子はJRAから発行されており、馬主、厩舎関係者、生産牧場などに配布されるもの。
競馬サークル内のニュースや、厩舎の永年勤続表彰などが掲載されています。
時にはタイムオーバーの細かい規定など、あまり知られていないルールをこの冊子で知ることもあるんだとか。

冊子ぱどっく

JRA発行冊子『ぱどっく』

デスクの上に無造作に置かれていた、木製の蹄鉄はなんと鍋敷き!
事務所の30周年パーティーで配布したものだそう。

蹄鉄モチーフの鍋敷き

蹄鉄モチーフの鍋敷き(事務所の30周年記念品)

こちらは小関先生のブログが書籍化されたもの。
もちろん表紙は競走馬です。
馬以外のお話も収録されていますが、どれもしっかりオチがあって面白いものばかりでした!

小関勝紀のブログ

小関勝紀ブログ 書籍

いろいろと拝見させていただき、ありがとうございます。
意外と『愛馬グッズ』って少ないものなんですね。

「いやぁ、私は何でも人にあげちゃう性質なんですよ。
ゼッケンもプレゼントしちゃったし、自分の馬の写真もね、
馬が好きっていうお子さんとかに会うとすぐあげてしまうんです」

なるほど!
それは先生の人柄が感じられるエピソードですね(笑)
Pacallaの取材でも、馬のオーナーさんにいただいたものを宝物と言って、大事に持ってらっしゃる競馬ファンの方にお会いしたことがありますし、きっとプレゼントされた人はすごく喜んでいると思います。

最後によろしければ、様似のPRをしていただければと思いますが、いかがでしょうか。

「アポイ岳はもちろん、親子岩やソビラ岩、観音山からの眺めなど、様似はとても景色のいいところです。
皆さん、山の裏側を通られるので、せっかくの絶景を見逃しているんです。
山もあって海もあって、おいしい食べ物もたくさんあります。
とくにに港町としての歴史は古く、高田屋嘉兵衛の辰悦丸も寄港、等澍院という蝦夷三宮寺があり、江戸時代から栄えていました。
様似の海の幸は絶品です。
ぜひ、様似に遊びにきてくださいね」

 

 

小関先生、今日はたくさんのお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました!
Pacalla編集部も定期的に日高に行っているので、次は様似にも足を運びたいと思います。
その時は、先生に観光アドバイスをお願いします!

 

税理士 小関勝紀先生

 

様似愛あふれる馬主さんのオタク訪問、いかがでしたか?
皆さんが、競馬場で『ジオパーク』という冠名の馬を見かけたときは、ぜひ応援してくださいね。

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