【サマーセール2017】望田潤の「血統第一」
2017/08/11
カテゴリ:馬のはなし / Pacallaオリジナル
みなさんこんにちは。Pacalla編集部です。
8月21日~8月25日に新ひだか町(北海道市場)にてサマーセールが開催されますが、
今回は血統評論家としてご活躍されてる望田潤 氏に
Pacalla参加牧場上場馬の中で血統的に気になる馬を選んでいただきました!
血脈、血統という領域の第一人者が見る馬の選び方。
是非ご参考にしていただければと思います。
望田氏Pickup馬
No.60 シルクアイリス16
サトノリュウガやジェラシーと似た輪郭
3代母マルカアイリスはG3小倉3歳S勝ち馬で、Never Bend≒Ambarellaのニアリークロス2×3が光ります。
ハービンジャー×ディープインパクト×トニービンという累代は京都新聞杯4着サトノリュウガとよく似ています。
そして本馬のように母父がサンデーサイレンス系で母母にトニービンの血が入るハービンジャー産駒は、
JRAに15頭出走し8頭が勝ち馬と高確率。スイートピーSに勝ちオークス4着のジェラシーもこのパターンです。
オープン〜上級を狙えるハービンジャー産駒でしょう。
<サトノリュウガ血統表>
<ジェラシー血統表>
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No.311 スマートマーチ16
二つのニアリークロスが光る
重賞2勝ナリタクリスタルの甥。
トニービン3×4のクロスがまず目につきますが、
Kingmambo≒Geiger Counterのニアリークロス3×4とNureyev≒Sadler’s Wellsの3/4同血クロス5×5で、
全体にKingmamboのパワーと機動力を増幅した配合になっているのもポイント。
ルーラーシップ産駒は不器用で緩慢なところがありますが、本馬は先行力や機動力も兼備した中距離馬でしょう。
ルーラーシップの男馬にしては完成も早いタイプ。
<Kingmambo≒Geiger Counter>
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No.896 ファミリーバイブル16
キングマンボ系お家芸の3/4同血クロス
母ファミリーバイブルはSligo Bay(北米G1ハリウッドターフC勝ち)、
フェアリーバラード(グラッツィアやスーパームーンなどの母)、
ミレニアムウイング(JRA5勝)の全きょうだいで、ジャパンCのSingspielとも3/4同血にあたる良血です。
そこにキングズベストが配されて、エルコンドルパサーをほうふつさせるNureyev≒Sadler’s Wellsの3/4同血クロス4×2。キングズベストの欧州での代表産駒であるワークフォース(英ダービー、凱旋門賞)、King’s Apostle(仏G1モーリスドギース賞)、Royal Diamond(愛G1セントレジャー)、そしてダイヤモンドSに勝ったコスモメドウもこの3/4同血クロスを持っています。
グラッツィア(川崎記念3着)とも酷似した配合になるので要注目ですね。
<コスモメドウ血統表>
<グラッツィア血統表>
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No.1035 クイーンオブハルカ16
教科書的好配合のゴルア産駒
コンスタントにJRA勝ち馬を送り出しているクイーンオブハルカの娘で、
本馬は父がゴールドアリュールに替ってHalo3×4とNureyev3×5のクロス。
ゴールドアリュール産駒全体のJRA勝ち馬率は43%ですが、Nureyevのクロスを持つ場合は45%、
そして本馬のようにNureyevをクロスし母系にMr.Prospectorを引く場合は49%と確率がアップします。
また母系にSadler’s WellsとMr.Prospectorを引く場合は勝ち馬率55.2%と更に優秀。
本馬は全体にクリソライトと似た配合パターンで、ゴールドアリュールのパワー源であるNureyevの血を強力に増幅しており、ダートのマイラーとして注目したい馬ですね。
<クリソライト血統表>
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No.1176 マイネリスペクト16
勝ち馬率100%のフリオーソ×サドラー
G3牝馬東タイ杯に勝ったリストレーションの孫。
父フリオーソは南関の帝王としてJRAの強豪と渡り合いましたが、産駒も典型的な力馬タイプが多いです。
本馬はHail to Reason4×5・5に、Nureyev≒Sadler’s Wellsの3/4同血クロス4×5、Never Bend≒Bold Reasonの3/4同血クロス6×7。フリオーソとSadler’s Wellsのパワーの血を増幅した配合をしており、ダートを力強く描き込んで走る姿が容易にイメージできます。ちなみに母系にSadler’s Wellsの血を引くフリオーソ産駒はJRAには2頭出走し、
どちらも勝ち馬になっています(ウイングフリオーソ、チェス)。
<ウイングフリオーソ血統表>
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No.1221 ワイキキブリーズ16
フジキセキ×デピュティの砂黄金配合
全姉ポフツカワはまだ気性が幼くて持てる力を出しきれませんが、
新馬戦で2人気に支持されたように追い切りは動くし馬体の良さも目立つので、本馬にも期待をかけたいところ。
母系にフレンチデピュティの血を引くキンシャサノキセキ産駒はJRAに17頭が出走し11頭が勝ち馬(勝ち馬率65%)と非常に高確率で、キンシャサノキセキ産駒全体(42%)を大幅に上回ります。
これはカネヒキリやサウンドトゥルーやホワイトフーガなどで大成功している
「フジキセキとDeputy Ministerのニックス」という裏付けがあります。
本馬もダート短距離〜マイルで確かな能力を秘めているはず。
<サウンドトゥルー血統表>
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