Pacalla編集部おすすめ!『馬の図鑑・百科事典』
2021/11/19
カテゴリ:Pacallaオリジナル
こんにちは!Pacalla編集部のやりゆきこです。去年、今年となかなか思うように出かけられない状況が続いていますが、皆さんはどんな過ごし方をしていましたか? 個人的には、なかなか取材に行けないのが残念ではあるのですが…その代わりに、本を読んだり、調べ物をしたりする時間が増え、ある意味よいインプットの時間にもなっています。そんなわけで、今回は私がおすすめする馬の本を紹介していきたいのですが、全部紹介するには少々数が多いため、今回は馬の図鑑や百科事典、辞典などに絞ってご紹介したいと思います!
競馬にまつわる言葉をイラストと豆知識でヒヒーンと読み解く『競馬語辞典』
奈落 一騎(著)/細江 純子(監)/キクコ(イラスト)
発行:誠文堂新光社/A5判 200ページ
発行年月:2018年4月3日
まずご紹介するのは、Pacalla読者の皆さんおなじみの競馬にまつわる書籍です。こちらは誠文堂新光社さんから発行されている『〇〇語辞典』シリーズの競馬用語版。フルカラーのイラスト満載なのが特徴で、『競馬語辞典』も例にもれず。競走馬イラスト界隈では有名なキクコさんのイラストがとってもキャッチー! 読んでいて楽しくなってしまう辞典です。
50音順に、押さえておきたいの競馬用語が紹介されるのはもちろん『3連単5頭BOXなら大体当たる』などの過去に流行したフレーズや『ゴルゴ13』といった競馬が登場する漫画まで、かなり守備範囲が広い(笑)。また競馬カレンダーや全国競馬場マップ、近代競馬の血統図といった競馬ビギナーにはうれしいページも。
ちなみに監修はPacalla YouTubeチャンネル『馬っていいとも!』のゲストとして出演してくださった細江純子さん! 『ホソジュンのウマのウラ話』と銘打って、細江さんのイチ押し名馬7頭のおもしろエピソードが紹介されていますので要チェックです!
世界で一番美しい馬の図鑑
タムシン・ピッケラル(著)/川岸史(訳)/アストリッド・ハリソン(写真)
発行:発行:エクスナレッジ/縦300mm 287ページ
発行年月:2017年9月
建築雑誌が有名な出版社、エクスナレッジさんが発行している馬の図鑑がこちら。現在は建築に限らず、さまざまな分野の情報を一風変わった切り口で数多く発信されていて、その中でも生き物に関する書籍が本当に面白い!
『世界で一番美しい馬の図鑑』は、80種類を超えるウマの品種の特徴や歴史、逸話などが掲載されており、これが図鑑であるということをうっかり忘れてしまいそうなほどアーティスティックな写真が使われているのが特徴的。馬という生き物の美しさを改めて読者に教えてくれます。撮影した写真家のアストリッド・ハリソン氏は、もともとアルゼンチンの牧場で働いており、そこで馬などの動物の写真を撮り始めたそう。牧場を応援するPacalla編集部としては親近感がわいてしまいますね!写真に添えられた文章も、なんだか物語を読んでいるような気分になる、そんな没入感のある図鑑です。
“世界で一番美しい馬”の図鑑であり、世界で一番“美しい馬の図鑑”ともいえそうな本書は、2017年のJRA賞馬事文化賞も受賞。
「知」のビジュアル百科 49『馬の百科』
ジュリエット・クラットン=ブロック(著)/千葉 幹夫(監)
発行:あすなろ書房/縦300mm 287ページ
発行年月:2008年9月
あすなろ書房さん出版、全50冊からなる『「知」のビジュアル百科』シリーズの中の一冊。児童書だと思ってあなどることなかれ…! 馬と馬にまつわる文化をビジュアルで紹介する本書は、とにかく写真資料の充実っぷりがすごい。馬にまつわる文化に重きが置かれており、馬そのものだけでなく世界中の馬車や馬具、騎兵の鎧など他の書籍には載っていない写真も多く掲載されています。
大人向けの書籍だと白黒で小さく載りがちな馬にまつわる文化財などもすべてフルカラー‼ ウマの全身骨格標本にいたっては見開き1ページにどと~んと掲載されていますし、歯の構造などもかなり大きく掲載されているので、隅々まで確認することができます。大胆な構成がお気に入りです。
また、『「知」のビジュアル百科』シリーズは古代文明や歴史、科学などが中心となっており、その中で取り上げられている現生生物はイヌとウマだけ。いかにウマが人間の歴史や文化に深くかかわりがある動物だったのかがうかがえる気がしますね!
伝説の馬100頭
バラン ミリアム(著)/吉川 晶造(訳)
発行:恒星社厚生閣/縦300mm 150ページ
発行年月:2007年3月
伝説的な記録を残した競走馬や乗馬、アハルテケのような特筆すべき馬の品種はもちろん、文学や映画、絵画や神話に登場する馬、極めつけは木馬など。さまざまな角度から見た『伝説の馬』100頭がまとめられた本書。マニアックな内容も多く含まれているため、この本に書いてある内容を「全部知ってたわ~」という人はなかなかいないんじゃなかろうか。そんなわけで、主に馬オタク層の方々におすすめしたい一冊です。
日本ではあまり馴染みのないストーリーや言葉、表現も出てくるので、少し難しいと感じる場面もあるかもしれませんが、巻末の難解語彙集や訳注が充実しているので、参照しながら読み進めるのが吉。読めばきっと、馬にまつわる新たな発見がある、視野を広げてくれる本だと思います。
また、本編には入っていませんが、あとがきページには訳者が『伝説の馬』として取り上げておきたい1頭として、Pacallaでも以前特集した西竹一氏と名馬ウラヌスのエピソードが。こちらもぜひご覧ください。
Pacalla記事:1902年7月12日 オリンピック馬術金メダリスト「西 竹一」誕生≫
ウマの博物図鑑
デビー・バズビー(著)/カトリン・ラトランド(著)/小林朋則 (訳)
発行:原書房/A4変型判 224ページ
発行年月:2021年1月26日
今年(2021年)に発行されたこの博物図鑑は、ウマに関する膨大な知識を『進化と発達』『解剖学と生物学』『社会と行動』『ウマと人間』という、大きく4つのテーマに分けてまとめた“よみもの”としても非常に面白い本です。
網羅性にすぐれていて、「ああ、これ前から知りたかったんだよね!」といった情報が各所にちりばめられています。それと同時に、著者のひとりであるカトリン・ラトランド氏が解剖学と発生遺伝学を専門としており、イギリス・ノッティンガム大学の獣医学部で研究、教育を行っていることから、解剖学と生物学の章ではは思いのほか深い情報までたどり着くことも…。
ですが、予備知識がなくても読みやすく、理解しやすいところが本書をおすすめしたいいちばんのポイント。文章が平易でわかりやすいことに加えて、図表やイラストなどのクオリティが高く、素人でもわかりやすいように工夫されています(なんと、使われている画像や図表、イラストは300を超えるそう)。編集力抜群の1冊!
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いかがでしたか? 1冊でも気になる馬の本が見つかればうれしいです。
機会があれば、図鑑や百科事典以外のおすすめ本も紹介したいと思っていますので、その時はまた、どうぞよろしくおねがいします!