【馬業界MAP】育成牧場編

2019/02/12

カテゴリ:色々なはなし / 人のはなし / Pacallaオリジナル

【馬業界MAP】育成牧場

【馬業界MAPとは】

Pacallaは馬産地や競馬業界を盛り上げたいという思いから始まったメディアです。
そこで馬業界を志す方々のための『馬業界MAP』を作成しました。
馬業界と一口に言ってもその業務は多岐にわたります。
ぜひ馬業界MAPをご一読いただき、馬の世界を広く知っていただければ幸いです。
》馬業界MAPのトップページはこちら

 

 

育成牧場の仕事

育成牧場は生産牧場で生まれた馬が、競走馬として競馬場(厩舎)に入る前に調教(訓練)をする牧場です。
育成には大きく2つの仕事があり、一つ目は人が乗ることができるようにトレーニングをしていく馴致(じゅんち)と呼ばれるもの。
もう一つは馬が速く走れるようにするため、フォーム調整や筋肉を発達させるための調教です。
ここでレースに必要な力をつけていきます。

 

育成牧場の1年

育成牧場の年間スケジュールをおおまかにご紹介します。

馴致準備ゲート練習

 

育成牧場の1日

先ほどは年間のスケジュールを紹介しましたが、馬たちの日常の世話や調教は毎日行われています。
ここでは育成牧場の『ある1日』の様子を紹介します。

【3:00】朝飼い(当番制)
朝飼い当番制で朝の餌やりを行います。

【5:30】厩舎作業・馬装
馬装朝飼い当番以外は起床後、着替えて厩舎に向かいます。
まずは夜の餌の調合や、寝藁上げ(湿った寝藁を干す作業)、馬房掃除を行います。
厩舎での作業が終わったら馬装など、馬に乗るための準備。

【7:00】調教
調教
その日の調教メニューに沿って、騎乗坂路または周回コースで調教。
1鞍(1回の騎乗のこと)は約45分ほどで、2鞍目、3鞍目と続けて乗ります。
一人で4~5鞍を担当。

【12:00】昼休憩
2時間ほどの休憩をとります。
昼食を済ませたあとは人それぞれ過ごします。

【14:00】馬房内を整え、馬の手入れ
午前中に干していた寝藁を馬房に戻し、ベッドメイキングをします。
その後、馬の手入れ、治療、馬体のチェック等を行います。
週1回は削蹄、全頭馬体チェックなどを行う日もあります。

【20:00】夜飼い(当番制)
当番の人は夕食を済ませ、一息ついたあとに夜飼い(夜の餌やり)を行います。
厩舎に行ってボロ拾い、水の補充、馬にエサを与えて1日が終了します。

 

 

育成牧場 現場の声

ここまで基本的な育成牧場の仕事を紹介してきましたが、実際に現場の方々に仕事の面白さややりがいをお伺いしました。

【育成牧場のここが面白い!】
・人が乗れるようになっていくところ。
・馬が物事を覚えた瞬間。一つずつ大人の階段を上って成長を感じた時。
・自分が乗っていた馬がレースに出た瞬間。

【育成牧場のここが大変!】
・冬の寒さ。
・馬が病気になったり、命に係わる場面を見るのがつらい。

 

 

育成牧場で働くには

育成牧場で働きたい!と思っている方は牧場専門の求人サイトをチェックしましょう。

≫牧場専門求人サイト:BOKUJOB

いきなり就職するのは不安という場合は、牧場によって短期間で牧場の仕事を体験させてくれるところもあります。 ぜひ一度問い合わせてみてください。

また育成牧場で働く前に生産育成技術者研修(JBBA研修)や育成調教技術者養成研修(BTC研修)など全寮制の学校で学んでから就職することも可能です。下記のサイトをぜひチェックしてみてくださいね。

≫生産育成技術者研修(JBBA研修)
≫育成調教技術者養成研修(BTC研修)

そのほか、Pacallaでは『牧場の人と遊びに行こう!』という企画を行っています。本企画にご参加いただき、育成牧場で働いている人のリアルな声を聞いていただくことも可能です。

 

 

Pacalla編集部より

育成牧場は『馬を扱える技術』『馬に騎乗する技術』が非常に大切になってきます。
もちろん育成牧場に入ってから学ぶことも多いですが、馬術などの基礎技術がその後に大きく影響するように思います。大手の育成牧場では未経験者にイチから指導をしてくれるところもありますが、中小の育成牧場では人材不足でそういった環境が作りづらいという牧場も。

また、乗り役の感覚に頼る部分も大きい為、馬乗りとしての感覚を研ぎ澄ましていく必要があります。具体的には小さな工夫を積み重ねられる人、育成理論を組み立てていける人など。馬の職業全般的にそうですが、自分自身を高めていける方に向いている職種だと思います。

    記事をシェアする

    pagetop