【馬業界MAP】生産牧場編
2019/02/06
カテゴリ:色々なはなし / 人のはなし / Pacallaオリジナル
【馬業界MAPとは】
Pacallaは馬産地や競馬業界を盛り上げたいという思いから始まったメディアです。
そこで馬業界を志す方々のための『馬業界MAP』を作成しました。
馬業界と一口に言ってもその業務は多岐にわたります。
ぜひ馬業界MAPをご一読いただき、馬の世界を広く知っていただければ幸いです。
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生産牧場の仕事
生産牧場とはその名の通り、馬の生産をする牧場です。
主に将来、競走馬となるサラブレッドの生産をしている牧場が大多数を占め、母馬となる繁殖牝馬を飼養管理し、種付けからお産、生まれた仔馬が大きくなるまで育てます。
上記のメインの仕事のほかには牧草作りや牧柵などの設備管理など
牧場運営に欠かせない仕事は多岐にわたります。
生産牧場の1年
生産牧場の年間スケジュールをおおまかにご紹介します。
生産牧場の1日
先ほどは年間のスケジュールを紹介しましたが、繁殖牝馬や生まれた仔馬の世話は当然のことながら1年を通して毎日行われています。
ここでは馬たちの世話を中心とした生産牧場の『ある1日』の様子を紹介します。
【5:00】朝飼い
起床後、着替えて厩舎に向かいます。
まずは馬に飼い付け(餌やり)を行い、馬が餌を食べている間に検温、手入れ、怪我をしてないか馬体のチェック。
その後、馬たちを放牧へ出しますが、ここまでの作業だけで約2時間ほどかかります。
【7:30】厩舎作業
朝食後、再び厩舎へ。
ボロ拾い(糞の始末)と寝藁上げ(馬房内の湿った藁を干し、馬房を掃除)を行います。
すべての馬房で作業が終わると大体お昼ごろになっています。
【12:00】昼休憩
2時間ほどの休憩をとります。
昼食を済ませたあとは人それぞれ過ごします。
【14:00】馬房内を整え、集牧へ
午前中に干していた寝藁を馬房に戻し、ベッドメイキングをします。
夕方近くになると、放牧に出していた馬たちを集牧(馬房に戻すこと)。
戻した後は、手入れをしながら放牧中に怪我をしていないかチェック。
すべての作業が終わると17時ごろになることが多いようです。
【20:30】夜飼い
夕食を済ませ、一息ついたあとに夜飼い(夜の餌やり)を行います。
厩舎に行ってボロ拾い、水の補充、馬にエサを与えて1日が終了します。
※お産がある場合は、交代で馬の確認を夜通し行うことも。
生産牧場 現場の声
ここまで基本的な生産牧場の仕事を紹介してきましたが、実際に生産牧場の方々に仕事の面白さややりがいをお伺いしました。
【生産牧場のここが面白い!】
・配合を考えてるとき。
・仔馬が産まれた瞬間。新しい命が産まれた瞬間に立ち会えた喜び。
もしかしたら名馬になるかもという期待。
・自分が携わった馬がレースに出た瞬間。我が子の晴れ舞台のような気持ち。
・自分が携わった馬が牧場に帰ってきたとき。
【生産牧場のここが大変!】
・冬の寒さ。
・馬が病気になったり、馬が亡くなった時は本当につらい。
生産牧場で働くには
牧場で働きたい!と思っている方は牧場専門の求人サイトをチェックしましょう。
いきなり就職するのは不安という方は、牧場によっては短期間で牧場の仕事を体験させてくれるところもあります。
ぜひ一度問い合わせてみてください。
またPacallaでは『牧場の人と遊びに行こう!』という企画を行っています。
本企画にご参加いただき、生産牧場で働いている人のリアルな声を聞いていただくことも可能です!
Pacalla編集部より
生産牧場では騎乗技術がなくても働くことができます。
特殊な技術や資格などは必要がないため、馬と直接関わる職業のなかでは敷居が低いようです。
馬が好きという気持ちと、生産牧場で働きたいという熱意が大切といえます。
ただし、競走馬となるべく産まれてくる仔馬たちは、産まれた瞬間から馴致※と呼ばれる教育…すなわち馬づくりが始まっています。乗馬技術がない人でもできますが、乗馬の考え方を持った人が馴致を行ったほうが育成段階へのステップアップはしやすそうです。(あくまでも編集部の考えですが。)
馬は人間同様に一頭一頭それぞれに個性があり、正解はひとつではありません。
そういった観点から考えると、細かい部分を工夫したり、試行錯誤ができる人、教育的な思考が持てる人が向いている職種と言えるかもしれません。
※馴致:じゅんち)人に触られることに慣らしていく、しつけを行うなど