【お仕事紹介】獣医のお仕事

2017/10/11

カテゴリ:人のはなし / Pacallaオリジナル

 

今回のお仕事紹介は「獣医」さんです。

獣医さんのお仕事自体はみなさんご存知かもしれませんが、
競馬業界の獣医のお仕事内容や、獣医ならではの楽しみなど、
インタビューでお聞きした内容を混じえた記事をお送りします。

 

競走馬の獣医とは

競走馬も動物ですから、専門のお医者さんが居ます。

競走馬の獣医さんにもいくつかタイプがあるようです。

 

競馬場の獣医さん

例えば中央競馬の獣医さんで競馬場勤務になると、
出走馬の馬体管理や、入厩する際の検疫等が業務になるようです。

レース当日は、馬体検査や事故があった際の救護や治療等が主な業務になるようです。

中央競馬以外にも地方競馬の獣医さんもいらっしゃり、
担当厩舎等があり、ご自分の担当馬の診察などを行っていらっしゃいます

 

馬産地(生産地)の獣医さん

こういった競馬場の獣医さんとは別に、
北海道や九州といった競走馬の生産地で獣医をされている方ももちろんいらっしゃいます。

北海道の生産牧場や育成牧場の方にとってはこちらの獣医さんがメインになります。

獣医さんは病気や怪我の治療の他に、予防接種やセリ前の検査など様々な場面で競走馬に関わっています。

また、お産、種付けシーズンは獣医さんを牧場に呼ぶ機会が多くなるようです。

種付けの際は、繁殖牝馬が交配(種付)に適した状態にあるか、
子宮・卵巣の状態などをチェックされるそうです。

その他にも競走馬の市場(セリ)開催の際、当日の上場馬の馬体検査、治療や事故対応も行います。。

 

 

獣医になるには

獣医学科のある大学で6年間の課程を修了し、
獣医師国家試験に合格して晴れて獣医師免許を持つことが出来ます。

企業に就職される方、開業される方、
ご実家の動物病院や診療所を継ぐ方、
色々いらっしゃるそうです。

獣医さんそれぞれに得意分野もあるそうで、
馬・牛などの大型動物専門、ペットなどの小動物専門の方、
なかには競走馬を診療しつつ、ペットなどの小動物を診ている獣医さんもいらっしゃるそうです。

その他に動物園や家畜保健所、農林水産省で働いている獣医さんもいらっしゃるそうです。

 

 

獣医に向いている人

なんと言っても動物好きな方が多いようです。

診察、治療をする相手は動物になりますので、動物好きでないと続かないようです。

また、治療の対象は動物にはなりますが、畜主を含めて人と会話をすることが多くなります。

獣医に限らず診療を仕事にしている医師の方もそうかもしれませんが、
人と話すのが好きもしくは得意な方が向いているのかもしれません。

また競走馬の獣医は、予後不良と診断された競走馬の安楽死処置なども行います。

医師同様、獣医師にも、生死に向き合う瞬間が付いてまわるため、
精神的な成熟度も求められるようです。

 

 

獣医の魅力・楽しみ

競走馬の獣医さんは馬が好き、競馬が好きという方も多いようです。

牧場さんとの会話のなかでは競走馬や競馬の話が多くなるので、
必然的に競馬に詳しくなっていき楽しみが増えるということもあるそうです。

競馬はブラッド・スポーツと言われるくらい血統が重要な要素になります。
血統によって身体つきや性格にも特徴もあり、
それぞれの馬にあった扱いや日頃の管理が実践されているところもあります。

複数の牧場や厩舎の馬を診察する機会があると、
地域や牧場、畜主の方の管理にこだわりがあったり、
状況によって変わる仕事が楽しいと感じる獣医さんもいるようです。

自分が担当・診察していた馬が勝った時は嬉しさもひとしおのようです。

 

 

お仕事の流れ

生産牧場を見ていらっしゃる獣医師の方に1日のスケジュールをお聞きしました。

繁殖シーズンか否かで結構変わるようです。

繁殖シーズンの時は、繁殖牝馬の直腸検査(卵巣や子宮状態のチェック)、
繁殖シーズン以外の時は、怪我の治療、内科(肺炎、腸炎)、歯科、などを診られるそうです。

今回は繁殖シーズンの1日のスケジュールを掲載します。

 

生産地獣医師の一日の例

4:30頃 起床

5:00~ 往診(直腸検査、治療)

7:30頃 朝食・休憩

8:30~ 診療所での検査・処置

12:30 昼食・休憩

14:30 往診(直腸検査、治療)

18:00前後 診療終了

18:00~ デスクワーク、各自治療・検査の予習、研究発表の準備等

19:30頃 帰宅・夕食・家事・風呂

22:00頃 就寝

かなりハードスケジュールですね。。
大変なお仕事なのは予想しておりましたが、やはり獣医さんは多忙のようです。

生き物相手の仕事のため、流動的になることが多いらしく、
実際には往診が少なくてはやく帰宅することがあったり、
急患が入って明け方まで仕事が続くこともあるそうです。

 

最後に獣医さんのお仕事道具を写真でご紹介したいと思います。

基本的には往診(現地に行っての診療)になるため、
獣医さんは車に診療道具やお薬を積んで往診なされます。

 

今回インタビューにご協力頂いた獣医さんの往診用の車です。
荷物が大量に積み込まれてます。

 

車の中にはたくさんの医療用品が入っています。
まさに動く病院といった感じです。

 

たくさんのお薬や注射などが綺麗に整頓されています。

 

 

 

競走馬・馬産地を支える獣医さん、すごくやりがいのあるお仕事だと思います!
(と言ってもそう簡単になれる職業でないのは周知ですが、、)

一般的に競走馬の獣医さんについてはあまり知る機会が無いと思いますので、
獣医さん達の支えによって競走馬の安全が守られ、
レースが開催されているというのを是非知って頂ければと思います。

 

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