重賞制覇レポート『タイトルホルダー』岡田スタッド 編

2023/04/20

カテゴリ:馬のはなし / 色々なはなし / 人のはなし / Pacallaオリジナル

日経賞を8馬身差で圧勝。現役最強ステイヤー、タイトルホルダーが復活の狼煙を上げました。
「よかった。いい勝ち方をしてくれた」
岡田スタッドグループ代表の岡田牧雄さんはストレートに心情を口にしました。


5歳となった2023年の始動戦。
「不安が多かった」と牧雄さんは振り返ります。
凱旋門賞後の有馬記念が9着。日経賞に向けた帰厩前に、放牧先の福島・ノルマンディーファーム小野町へ状態をチェックしに行ったといいます。

「厩舎から出したり、ダクに出したりする時の出がけの一歩にはまだ良化の余地を感じたけど、有馬記念の時と比べて歩きが良くなった。覇気があるし、洗い場での馬のしぐさとかを見て、元に戻りつつあるなと思った」

絶好調時には及ばないものの、納得のいく状態で出走させられると判断したそうです。

▲凱旋門賞時のタイトルホルダー

「これなら大丈夫」
昨年から2㌔増の59㌔と懸念材料はあったものの、レース当日、パドックで歩いている姿を見て確信しました。ディアスティマとの先行争いを制してハナに立ち、1分2秒8で1000㍍を通過。1馬身ほどのリードで直線に入ると、その差はみるみるうちに広がっていきます。

「ディアスティマにちょっと競られたように見えたけど、2、3頭分外に行ってくれたぶん、力まずに走れた。1000㍍通過の時点で行きっぷりや恰好、(横山)和生の抑え方がすごく折り合っていたから大丈夫だなと思った。3、4コーナーでもほかの馬はみんな追っていて、タイトルホルダーは馬なりだったから」

久しぶりにこの馬らしさが見えたレース内容に牧雄さんは安堵の表情を浮かべました。

 

次走は昨年に続く連覇がかかる天皇賞・春。リニューアルした京都競馬場が舞台となります。2年半をかけて改修したため、一昨年の菊花賞、昨年の天皇賞・春ともに阪神で行われました。タイトルホルダーにとっては5歳の春にして初の淀です。

「阪神専用と言われるのは屈辱だから、それを覆すという意味でも今回の天皇賞は楽しみ」

牧雄さんは京都で観戦する予定で、タイトルホルダーのレースを現地で見守るのは国内では初めてだそうです。

「長丁場が最適であって、この馬は競馬場を選ぶ馬だと思っていないから。みんながスタミナを消耗する競馬が合っていると思うから、速い馬場だったら1000㍍を58秒で通過して、前回のレースみたいに3、4コーナーでほかの馬の手が動いて、この馬だけが持ったままというタフな競馬が得意だと思うので。自分がつらい競馬をすれば、ついてくる馬たちも絶対つらいのでそういうレースをしてほしい。良くなるのはこの次かなという状態だったので、天皇賞ではもう一段、二段上がるはずだから」

ひと叩きした上積みを見込み、連覇へ向けてのレースを思い描きます。


タイトルホルダーが日経賞を制した3日後、岡田スタッドから嬉しいニュースが届きました。メロディーレーン、タイトルホルダーの母であるメーヴェがベンバトルとの牝馬を3月28日に出産したのです。お守りなどを贈ってくれたファンの願いも届き、タイトルホルダー以来、5年ぶりとなる第3子が生まれました。

「もう嬉しくてね」
愛らしい姿は周囲を笑顔にし、牧雄さんの目尻も下がりっぱなしです。
鹿毛で、脚長のスタイル。生まれた時の体格は兄や姉より大きく、期待が膨らみます。

▲メーヴェとその当歳
▲メーヴェ
▲メーヴェ2023

「すごく大きいし、肩が長くて、いい馬が生まれた。生まれて1週間の姿が競走馬の姿だって昔の人はよく言ったじゃない? あれが本当だって思えるくらい、いい馬だよ」と賛辞が止まりません。

「嫌なことがあってもこの子が牝馬3冠を取ることを夢見て頑張ろうと思う。そういうふうに思えるくらい期待できるよね」

まずは半兄タイトルホルダーの完全復活、そして牧雄さんがほれ込むメーヴェ2023の将来を楽しみに待ちたいと思います。

    記事をシェアする

    pagetop