ガンコ
2018/04/25
カテゴリ:馬のはなし
今週末いよいよ生産馬のガンコがG1の舞台天皇賞春に出走いたします。
23年前タヤスダビンチが当時の朝日杯3歳ステークス、翌年の皐月賞以来となるG1の舞台。
小学5年生の時初めて競馬場に連れて行ってもらったのが中山競馬場の朝日杯。
今だに鮮明に憶えているG1レースの熱気、ドキドキ感!
結果は5着、子供ながらにあの時の悔しさは今でも憶えています。
優勝馬の関係者の喜びと、勝者に与えられる祝福を味わってみたいと思ったのもこの時でした。
初めて行った中山競馬場は何かと私と縁があって、東農大馬術部時代に放馬止めのバイトに行ってましたし、
実家に帰ってからはたまにしか行かない競馬で、三回の口取り(内重賞二回)をさせてもらいました。
そんな私の聖地中山競馬場で頭角を現し、日経賞に勝利し天皇賞春の出走権をもぎ取ったガンコ!
この記事を書くにあたり、牧場時代のガンコの写真を見ながらガンコとの想い出を思い出していました。
そんなガンコ!名前とは裏腹に幼少期は手のかからないとても良い子でした。
食欲旺盛で病気知らず、おっとり系で、手入れなども大人しく人間に悪さをしない賢い子でしたが馬には強くガキ大将で群れのボスでした。
生まれつき馬体の良さは牧場でも目立っていて、
ナカヤマフェスタ(やっぱりナカヤマと縁が・・・笑)の初年度産駒という事で期待はしていました。
ガンコを買っていただいた時のやりとりはこんな感じです。
一歳になり、セレクションセールの上場申し込みの締め切りが迫ってきた時に杉澤オーナーから「なんか良い馬いないの?」
私「ナカヤマフェスタですが良さそうなのいますよ」
杉「その馬買うわ」
私「次静内に来る日までキープしておきますから、見て気に入ったら買って下さい」
杉「あんたが良いと思うんでしょ?買うわ」
私「テレフォンショッピングですか?見てから決めて下さい」
杉「俺が買うって言ってるんだから、いいでしょう!まぁいいわ、わかった見てからでもいい〜」
後日、杉澤オーナーがご来場になり、
『良い馬だな。あんたが良いと思って勧めてくれるなら買う』と即決してくれました。
松元厩舎への入厩が決まり、ヤマダステーブルさんでも順調に育成され、無事に函館でデビュー戦を迎えました!待ちに待ったデビュー戦は現地で観戦しました。
レースをご覧ください。
出遅れながらも二の脚を使いすぐに先頭へ直線抜け出すもゴール前差されて2着。悔しいレースでした。
これならすぐに勝てますね!と言いながら勝ちきれないレースが続き、5戦目からダートを使い7戦目には武豊騎手を背に勝ち上がりました。
2年間20戦ダートで走り、昨年は4歳で500万下を2勝し7月23日には杉澤オーナーの地元函館で一緒に口取りできました。
杉澤オーナーとは函館で一緒に口取りしたいですね!と知り合った当時から話していたので嬉しかったです。
https://pacalla.com/maetanifarm/article/article-91/
1000万下に昇級後は連続二桁着順でしたが、松元厩舎の多大な努力と工夫、障害練習のお陰で藤岡祐介騎手を背に2年2ヶ月ぶりの芝のレースを快勝!
ここからは皆さんの知っているガンコですね!
こうしてみると牧場時代から大きな怪我も病気もせず、私達に夢と希望をもたらせてくれるガンコ。
重賞を勝った事はもちろん何事にも代えがたい喜びですが、天皇賞の週になり沢山のガンコの記事やファンの皆さんの応援を見ると、皆さんに沢山応援してもらえ愛される馬になったんだなと嬉しくて、幸せな気分になります。
日経賞同様、杉澤オーナーとは毎日ガンコの話しで盛り上がり、こうして夢を語って現実になりそうな所までこれた事に一生懸命頑張って走るガンコに感謝しています。
ガンコの様な馬を生産出来たことを誇りに思っていますし、
ガンコに負けない様私も立派なホースマンになります。
ガンコは松元先生の夢!藤岡ジョッキーの夢!
そして杉澤オーナーと私、ファンの皆様の沢山の夢を乗せて頑張ります。
https://pacalla.com/maetanifarm/article/article-275/
どうか皆様、天皇賞はガンコに温かい声援を送ってください。よろしくお願い致します。
※余談です。
昨年杉澤オーナーの競馬はガンコで始まりガンコで終わりました。
今年の初勝利もガンコの松籟ステークスでした。
その時の電話は
杉「今年もガンコで始まりガンコで終わるな」
前「終わりって有馬記念じゃない?」
杉「ガハハハ、そうなればいいな」
これは日経賞に勝つ前の話です。
杉澤オーナーと私は毎日こんな夢を楽しく語っています笑