牧場が見つかったのも人の繋がりのお陰でした。生産牧場開業までの道のり4

2022/04/30

カテゴリ:馬のはなし / 人のはなし

今年のもくしでつながるプロジェクトに参加させてもらった

ブラックバカラの22

も生後3か月が過ぎました。順調に育ってくれて好奇心旺盛ないたずらっ子になっています。
彼の様子を空からストーカーしてみました。


日々の牧場奮闘記をYouTubeにアップしているのでそちらもご覧ください

生産牧場の開業までの道のりを残そうとこのブログで取り上げています。
以下、前回の続きです。


2020年7月末に勤めていた牧場を辞めアルバイトという形で手伝いをさせてもらいながら自由な時間もいただき、空き時間がある時にはいろいろな方にあったりしてとにかく土地を借りられる可能性を模索していました。

土地探しと同時に始めた事があります。それは今も続けているYouTubeです。SNSは普段の生活に欠かせないものとなりました。サラブレッド生産牧場・育成牧場の中でもっとも利用されているのがTwitterだと思います。YouTubeは利用している方もちょくちょくとはいますが、10分程度の動画を定期的にUpし続ける煩雑さからも馬産の世界では積極的に使われていないという印象でした。

そういった状況なので新規開業で後発の私でもYouTubeならば可能性があるのではと考えました。最初は、今後どうなるかも予想できなかったので顔を出さないで始められるコンテンツから練習を含めてやっていき、いずれ独立が出来たら顔を出して牧場の様子をどんどん発信していけたらいいのではないかと思いました。
他の農業では普通に見られる「顔の見える生産者」を目指し、どのような人間がどんな思いで馬づくりに励んでいるか知ってもらえたら素晴らしいなと思っています。

2019年11月から借りられる牧場を探し始め、退職する2020年7月末も過ぎ、なんの当てもないまま9月になりました。その時に前職の社長から紹介していただけたのが、もともとは生産牧場の責任者を務め今は育成牧場でマネージャーを務めている方でした。その方は以前も他の方の独立をサポートされた経験もあり、浦河町でも顔が広いので何かきっかけが見つかるかもしれないとのことでした。

早速約束をしてお会いすることが出来ました。とても面倒見の良く親切な方で、初めてお会いするのに親身に相談に乗ってくださりました。浦河町で空いている可能性のある土地を地図を見ながらも考えてくれて、借りられる可能性を模索しました。それでもやはり見つかりません。
初めてお会いしてから何度か電話でもやり取りをしていましたが、9月中旬にとある土地を貸していただけるかもしれないけどどうする?と連絡をくれました。年内の開業は無理かもしれないと半ば諦めかけていた矢先です。

藁にもすがる思いで紹介して頂きました。それが今借りさせてもらっている牧場主の田中哲実さんです。
哲実さんはカメラマンやコラムニストなどこなしながら功労馬を繋養されています。浦河町に住まれていることは知っていましたが直接の面識はありません。しかし学生の頃は馬産地の話題を知る数少ない記事として、哲実さんの記事から馬産の世界を想像していました。

そしてお会いさせていただくとコラムから感じていた通りの人柄の方でした。馬産地の事に精通されている事、そして後継者不足など日高の馬産地が直面している問題をとても心配されている事など、日高を愛しているホースマンでした。私の夢や希望も伝え、実際に牧場を見学させて頂きました。

功労馬だけの牧場だったので設備も古くなっていましたが、すべての物が一通りそろっています。競走馬を育てていくためには手直ししていかないといけない場所もありましたが生産牧場としてもすぐに機能出来そうでした。そしてもともと家族経営の規模なので人を雇わなくても十分にやっていける面積で、考えていた条件と一致しました。地方の名馬“トウケイニセイ”が産まれた場所です。名馬が産まれた牧場なのですから、名馬が産まれる可能性のある土地です。

一目で気に入り、とんとん拍子に話も進み牧場をお借りすることになりました。

その時の経過をnetkeibaの田中哲実さんのコラム「生産地便り」に紹介されました。

牧場を貸すことに―突如現れた救世主編―

牧場を貸すことに―救世主の正体編―

続く

 

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