馬術のあれこれ
2017/11/02
カテゴリ:色々なはなし / Pacallaオリジナル
みなさんこんにちは。Pacalla編集部のすもーる青木です!
今回はオリンピックの競技にもなっている馬術のお話です!
ひとくちに馬術と言っても意外と知られていない競技があったり、
地域によってはサッカーと同じくらい人気のあるスポーツであったり、
馬術を使うお仕事があったりと、その特色は地域や発祥によってさまざまです。
現代馬術の種類や違い、それぞれの競技等をご紹介していきます!
現代馬術の種類
現代馬術には大きく分けて以下の2つの馬術があります。
・ブリティッシュ馬術
・ウェスタン馬術
ブリティッシュ馬術はヨーロッパ発祥の馬術、
ウェスタン馬術はアメリカ大陸におけるカウボーイ乗馬を起源とした馬術です。
ブリティッシュ馬術は英国の上流社会のたしなみの一環として発展した馬術です。
そのため、運動の正確さや美しさを重視しています。
手綱はビシっと締めて細かく馬に指示を出して人馬の優雅さを表現します。
一方でウェスタン馬術はスペインの騎馬隊がアメリカ大陸に伝えたと言われており、
完全に実用性重視の馬術です。
カウボーイの名前通り、牛飼いの男たちが乗り回すイメージそのままです。
2つの馬術の種類は起源、発展の仕方や目的は全く違いますが、
両方に通ずるのが馬を尊び愛するという愛馬の精神です。
これは馬術や乗馬のみならず馬に関わる方共通の想いなのでしょう。大事です!
ブリティッシュ馬術
こちらの馬術のほうがウェスタン馬術に比べるとが目にしたことがある方が多いかもしれません。
オリンピックの競技種目になっているのもこちらのブリティッシュ馬術です。
服装は後ろ側が長い燕尾服(ツバメのしっぽみたいだからだそうです)または乗欄(ジャケットみたいな服)とシルクハット。
※障害競技など比較的激しい競技の時はヘルメットを着用するそうです。
もちろん2020年の東京オリンピックでも馬術の競技は行われます!
(会場は今のところ馬事公苑を予定しているようです。)
オリンピックの競技で唯一「男女の区別無し」「人間以外の動物と行う」競技なんですね!
馬術は、人馬一体となった演技の正確性と芸術性を競い合う競技です。
また、すべての種目で男女の別がありません。
体力の勝負というよりもいかに馬をうまく操るか、技術的な熟練度と華麗さがポイントになる競技です。
選手の技術はもちろんのこと馬の能力も重要です。
素質のある馬を、時間をかけてトップレベルに育てなくてはなりません。 団体戦と個人戦があります。選手はパートナーである馬と協調して競技に臨みます。選手が、馬の能力を最大限に引き出し、
馬も選手の要求に精一杯こたえる「人馬一体」の妙技が繰り広げられます。
人馬が一体となって障害を飛越したり、疾走したりする姿は美しく、観客を魅了します。
選手と馬とがどのようにコミュニケーションをとっているかも見どころの一つです。
引用:オリンピック競技:馬術|東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
確かに馬を育てるところも超重要になってくるわけですね。自分を鍛えるだけでなくパートナーとともに成長し、
その集大成がオリンピックの場ということです。
馬術の強豪国と言えばやはりヨーロッパ。
特にドイツが超強豪国として有名です。
環境的に馬との生活が根付いており、
馬術用の馬つくりが盛んな国のため優秀な馬が多いのも理由の一つのようです。
後述するウェスタン馬術がメインのアメリカも実はブリティッシュ馬術でも強豪国だったりします。
もしかしたらウェスタン馬術の技術がブリティッシュ馬術に通じるところがあるのかもしれません。
※特に障害(ジャンプ)競技に強いみたいです!
馬が飛んでいる瞬間は時間が止まっているみたいに綺麗でうっとりします…
ヨーロッパの国やアメリカ・カナダが強い馬術競技ですが、
日本人で過去にオリンピックで金メダルを獲得した方がいます。(日本人のメダリスト自体この方のみ)
西竹一さんという方で、1932年のロサンゼルスオリンピックでの障害飛越の金メダリストです。
日本人なら是非知っておきたい金メダリストです!
ウェスタン馬術
アメリカ大陸では無骨で屈強な男達が馬に跨り荒野を駆ける、
ウェスタン馬術はまさにそんなイメージです。
個人的にはブリティッシュ馬術の競技よりも、ウェスタン馬術の競技の方が見ていて楽しいです。
ブリティッシュ馬術の上品な雰囲気とは正反対。
筋骨隆々の大男がジーンズにシャツをインしてテンガロンハット。ポッケにはバーボンでしょうか。
カウボーイと呼ばれる彼らは職業として馬に乗っています。
馬上から牛を誘導したり、ロープを使って牛を捕らえたりする高度なテクニックを有しています。
急ブレーキしたり連続旋回したりダイナミックな動作が魅力的な馬術です。
最近ではカウボーイの仕事の機械化・自動化が進んでいることもあり、
その数は減ってしまっているかもしれません。
但し、このカウボーイのテクニックは競技となってプロスポーツにまで発展しています。
プロ競技としての発展
それがロデオ競技です。
南米のチリではサッカーに並ぶくらいのメジャースポーツとして人気を博しているそうです。
ロデオと言うと暴れる牛に乗るイメージが強いですが、暴れる馬に乗る競技もあります。
他にも逃げる牛を馬上から素手で掴んで取り押さえるまでの時間を競う競技など様々です。
暴れっぷりが採点基準だったり、かなり激しい競技のため大衆人気が高いとも言えます。
アメリカが生んだエクストリームスポーツの一つと言えるでしょう。
ロデオ競技をいくつかご紹介します。
ラフストック(Rough Stock) :
調教前の馬や野生馬(牛)を乗りこなす競技。
8秒以上乗り切ると合格とされ、騎乗者の姿勢や乗り方、馬(牛)の暴れっぷりや派手さなどが採点される。
いわゆるロデオのイメージである暴れ牛に乗りこなすのもこのラフストックにあたります。
これもう落ちたら怪我どころじゃないレベルですね。
タイムイベント(Timed Events) :
仕事を完結するまでの時間を争う競技。
馬上からロープで仔牛を捕らえるまでの時間を競ったりする競技。
スティアー・レスリング (Steer Wrestling)
走っている馬の上から逃げる牛に飛びつき頭をひねって牛を地面に倒すまでの時間を競う競技。
チーム・ローピング (Team Roping)
2人のカウボーイがそれぞれ馬に乗りながら、逃げる子牛の頭と後ろ脚にそれぞれにロープをかけるまでの時間を競う競技。
さいごに
日本では馬術を見かける機会はまだまだ少ないと思います。
ヨーロッパやアメリカに比べると馬文化が根付いていないのが日本の現状です。
競馬にしても馬術にしても、馬事文化を日本に根付かせるためにも少しでも興味を持ってもらえればと思っています。
ブリティッシュ馬術はもちろん、ウェスタン馬術を学べるスクールも多くはありませんが日本にもあります。
今はYouTubeで世界中の馬術動画が見れますので、東京オリンピックまでに馬術動画を見て、
オリンピックは是非皆で馬術日本代表を応援しましょう!