当歳馬の離乳と移動は終盤へ

2017/10/26

カテゴリ:馬のはなし

先週までに、当場で生産したすべての1歳馬たちが、それぞれ指定された育成場へ巣立っていきました。

これまで彼らの生産育成に携わった私たちとしては、無事に引き渡すことができた達成感や、それぞれの育成場で順調な成長・仕上がりを望む気持ちなど、様々な想いが去来する季節です。

とは言っても、いつまでもセンチメンタルな気分に浸っているわけにもいかず(苦笑)、1歳馬が移動する⇒当歳馬の離乳というのが、この時期の生産牧場の仕事としては自然の流れ。

すでに全馬の離乳を終えている状況ですが、繁殖本場・分場から13頭の当歳馬が1歳分場への移動を済ませており、たまたま今日も1グループの当歳馬たちを1歳分場に移動させました。

写真画像は、1歳分場へ連れてきて、それほど大きくない放牧地へ放牧した直後のものです。

異なる環境に来て、いきなり広い放牧地へ放牧するとケガにつながる危険性があるので、当場の場合は離乳した当歳馬たちをまず小さな放牧地へ放牧することから始めます。

大抵の場合、数日すると環境に慣れてくるので、それから広い放牧地へ昼夜放牧して、青草を食ませながらたくさん運動をさせるようにします。

実際には、馬房に入れてからの馬体の手入れなど、今まで繁殖厩舎にいた頃はまったく問題なかった当歳馬たちが1歳分場に来てから急に嫌がるようになる、ということもしばしばあります。

そういうときは、それぞれの当歳馬たちの気性などに合わせて、馬にプレッシャーがかからないようにゆっくり触れてあげたり、しばらく何もしないで時間を与えてあげたりすることで、徐々に環境に慣れさせていきます。

馬たちにもそれぞれ個性があり、それぞれの馬たちに合った接し方や育成方法があると思います。

生き物を扱う仕事はそういう面で難しいと言えますが、上手くいったときの達成感も大きいので、そこがこの仕事の楽しみの一つです。

まずは、将来に向けて立派な競走馬に成長できるように、離乳後もしっかり育てていくこと。

1歳馬の移動が完了したとはいえ、まだまだ気の抜けない日々が続きます。

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