サマーセール1日目(預託馬 カタオカファーム)
2017/08/11
カテゴリ:馬のはなし
皆さんこんにちは。ふじはる牧場の藤春です。
 8月21日~8月25日までサマーセールが始まります。
 今回の記事はカタオカファームさんよりお預かりしている仔達が上場されますので、
 ご紹介させていただきます。
以下カタオカファームさんよりいただいた文章になります。
上場番号92 ハレイワクィーンの2016

父 ハイアーゲーム 
 母 ハレイワクィーン 母の父 キングカメハメハ 
 めす・黒鹿毛・3/26生 
 父ハイアーゲームと母の父キングカメハメハと言えば、思い起こされるのは04年のダービー。
 超ハイペースの中にあって、3〜4コーナーからのロングスパートを仕掛けるキングカメハメハと、
 外から臆することなく併せていくハイアーゲーム。
 意地と矜持のぶつかり合う2頭の姿は、何度見ても手に汗を握ってしまいます。
そして母ハレイワクィーンは父キングカメハメハ、母の父Salt Lakeという『ジェネリック・アパパネ』。
 狙うは府中の2400mのあの舞台……と思われるかもしれませんが、
 配合段階での意図は、実はそれとは真逆になります(笑)。 
 本馬は母の2番仔で、初仔である現2歳の半姉もまだデビューを果たしていませんが、
 祖母ユメノラッキーからはコンスタントにJRAでの勝ち馬が出現しています。
 芝・ダートを問わず短距離戦を得意としており、
 現4歳の半兄サイタスリーレッド(父ダノンシャンティ)は初勝利こそ芝でのものでしたが、
 今年の春にダートへ転戦するや破竹の4連勝。
 この勢いのまま重賞制覇を!と期待している一頭です。
 そのユメノラッキーにキングカメハメハを配して誕生した母ハレイワクィーンも、きょうだい同様にスピード豊かなタイプ。
 ブラックタイプに目をやれば、歴史的名種牡馬Unbridled’s Songの名前があるように、
 本質的にはダートでこその牝系です。
 これらの長所を伸ばす配合相手を熟慮した結果、ハイアーゲームへ白羽の矢を立てました。 
 ハイアーゲームはサンデーサイレンスの直仔で、
 自身は芝の中長距離戦線を沸かせたトップホースでしたが、
 産駒にはBold Ruler的なスピードの持続力を武器にしたダート馬が目立ちます。
 距離適性もやや短めにシフトしており、
 1200〜1800mが産駒の主戦場となっていることも、配合の趣意と合致しており申し分ありません。 
 本馬の立ち写真を眺めると、卓越した容量のトモにまず目を奪われます。
 そこから連なるやや深めの飛節の造りはサンデーサイレンスの影響を色濃く残しており、
 追ってからの瞬発力の源泉となることでしょう。
 高い心肺機能を暗示する深い胸や、回転力が高そうな肩の形状はキングカメハメハそのもので、
 04年ダービーの『呉越同舟』は理想的な形で結実したことがわかります。 
 叔父のサイタスリーレッドは、サマーセール直前に行われる交流重賞・クラスターC-G3に選出されており、
 その結果次第ではより注目を集める存在になるかもしれません。
 しかしその結果如何に関わらず、何より彼女自身が、自信を持って送り出せる僕たちの最愛の娘なのです。
上場番号29 サチノストリートの2016

父 セイントアレックス 
 母 サチノストリート 母の父 ロックオブジブラルタル 
 牡・栗毛・3/18生 
 曽祖母エルプスは桜花賞馬。直仔から活躍馬を送り出すことこそ叶いませんでしたが、
 孫のテイエムオーシャンが桜花賞などG1・3勝を挙げ、
 その高いスピード能力は代を経ても色褪せることなく伝わっていることを証明してくれました。
 この牝系は総じてやや小ぶりであるものの、運動神経は確かなものを持っています。
 その長所を刺激するような配合を心がけているのですが、
 この年の相手として選んだのがセイントアレックスでした。 
 セイントアレックスの産駒はJRAでこそ未だ勝ち星をあげていませんが、
 ハイレベルなホッカイドウ競馬の2歳戦を中心に驚異的な勝ち上がり率を見せています。
 現3歳世代までの4世代では15頭が出走し、うち13頭が勝ち上がり重賞勝ち馬も出現。
 その秘めたポテンシャルの高さを垣間見せています。
 その父Afleet Alexは05年の米二冠を制した3歳牡馬チャンピオンで、
 米国のトップホースとしては異色と言える差し脚質でした。
 とりわけ、直線入り口での落馬寸前の不利をものともせず圧勝したプリークネスSの走りは強烈な印象として残っており、
 その類い稀な運動神経は眠れるエルプスの血を呼び覚ますカンフル剤としてうってつけだと期待したのです。 
 そうして生まれたのが本馬。馬体のサイズこそ案の定(笑)小ぶりではありましたが、
 Afleet Alexを彷彿とさせるバネ感のある繋ぎを目にし、
 高まる期待を抑えられなかったことが思い起こされます。
 そして生後一週間で広めのパドックに放牧した折のフットワークを目の当たりにした時に、
 その期待は確信へと変わったのです。
大きな可動域が生み出すロングストライドと、稀有な運動神経を源泉とした高速ピッチが高い次元で融合した、
 理想的とも言えるその走法。まさしく配合意図の結実に他なりません。
 あれから16ヶ月ほど経った今、その卓越した身のこなしには更に磨きがかかり、
 アスリートとしての逞しさも帯びてきています。
 サマーセールではどのような評価を頂けるでしょうか。
 良き出会いが生まれることを期待しています。
 
							 
							 
							 
							








