生産馬が巣立つまで
2017/07/26
カテゴリ:馬のはなし / Pacallaオリジナル
みなさんこんにちは。ライターのミチコです^^
我が子の門出は寂しいようで嬉しいものです。
私の子ども達もいつか親元を離れて巣立つ日が来るのでしょうけど、
きっとそのときは寂しさ半分、嬉しさ半分な気がしてます^^;
今回は「馬の巣立ち」がテーマです♪
サラブレッド達は牧場で産まれたあと、
生産牧場から馬主に渡ったり、
オーナーブリーダーのもと、産まれた牧場でそのまま育ったり。
今回は、競走馬達が生産牧場を巣立つまでの大まかな過程をお伝えしたいと思います^^
1月〜5月頃、新馬は誕生します。
早い生まれの仔馬は1月頃、遅めだと5月頃に生まれる仔もいます。
みなさんも知ってのとおり、馬の出産は命がけです。
お母さん馬が命を落としたり、仔馬が命を落とすことも珍しくありません。
お産のシーズンは大忙し…! 牧場スタッフさん一丸となって誕生をサポートします。
みんな必死の想いでようやく産まれてくる新しい命。
これは人間も馬も一緒だと思います。
出産は本当に大変です…
仔馬は誕生後、4本足で起立して、すぐにお母さんの母乳を飲みます。
人間にもいえますが、母乳によって免疫力がつくんだそうです♪
「とねっこ」とも呼ばれる産まれたばかりの0歳馬、かわいい!><
お母さんと一緒
産まれたばかりの仔馬はずっとお母さん馬と一緒にいます♪
放牧中も、馬房に入るときも。常に母子一緒の状態が続きます。
この頃はお母さんと走り回って体力を付けたりする実は大事な時期らしいです。
※将来走る馬はこの頃から既に片鱗が見えるのかも?
日本にはセレクトセールという、0歳馬の馬のセリ市場があります。
今年は5億8,000万円という途方もない金額で競り落とされた0歳馬が出ました
0歳馬にして将来を嘱望される仔馬は珍しくはありません。
このセリの間もまだ親離れしていない仔馬が多いので、
セリに登場するときはお母さんと一緒に出てくるんです♪
本当に小さくてかわいいのに、数年後にはGⅠ馬になってるかもしれないんですから驚きですね^^
親離れと集団生活
生後半年ほど経つと、仔馬は親離れをしなければ行けません…. (╥_╥。)
仔馬は産まれたときはお母さんの周りを離れませんが、
徐々に行動範囲が広くなっていきます。
半年ほど経つと、仔馬とお母さん馬の距離が空いたときに、
お母さん馬の方を移動して、親離れを行うそうです。
考えただけで寂しくなってしまいます….
悲しい親離れですが、それと同時に始まるのが、同じ0歳馬同士による集団生活。
馬は群れの中で生活していきます。
この頃になると、追い運動といって仔馬を後ろから煽って走らせる運動を行います。
追い運動や集団生活での放牧も体力をつけるためには重要な時期らしいです^^
年が明けていよいよ競走馬としての訓練スタート!
年が明けると、仔馬はみんな1歳馬として数えられます。
まだまだ追い運動などで、基礎体力を付ける期間は続きます。
みんな優駿になるために頑張っている時期ですね^^
1歳馬になると、夏場のセリも多くなり、馬によっては育成牧場に移動になる馬もいます。
ここで産まれ育った牧場から門出となる馬も出てくるわけです。
きっと生産牧場のスタッフさんたちも頑張ってこい!と応援してくれてるはずです (T^T)
そして1歳馬の晩夏〜秋頃になると、馴致と言われる訓練が始まります。
人を乗せる訓練です!これが非常に大変らしく、
最初は嫌がる馬が多いそうです。。
ハミを付けて、鞍を乗せて、手綱をつけて、、、、
何度も訓練してようやく人を乗せられるようになる。
まずは人を乗せることで、競走馬の第一歩を踏み出すのです。
そしてここからは騎乗による訓練が始まります。
既に馬主に渡った馬は翌年の入厩やデビューに向けて訓練!
これから買われる馬もより良い馬になるため訓練!
そして巣立ちのとき
2歳馬はデビューが可能な歳になります。
早い馬は6月の新馬戦に向けて入厩してトレーニングに励みます。
2歳馬のセリで馬主に渡る馬もいます。
2年前に産まれたまだ小さくてかわいかった仔馬たちは、
この頃になると体も大きくなり、顔つきもたくましく変わっています^^
そして1頭、また1頭、と産まれた故郷を巣立っていくのです。
牧場の方たちはみんな産まれた馬を我が子のように思ってます。
この子達の輝く未来を想ってみんな毎日頑張ってるんですよねぇ….まさに母性です。
レースで勝ったりした日には祝杯です!我が子が勝ったぞ! すごい気持ち分かります(T^T)
最後に
競馬はもちろん見ているだけでも面白いのですが、
出走する馬のバックグラウンドや歴史を知ることでもっともっと楽しくなると思います^^
みなさんも好きな馬が出来ると、その馬の産まれ故郷や歴史を調べてしまいますよね♪
その馬の仔馬時代はどうしてもその時その時しか生で見ることはできません。
例えば牧場見学に行って仔馬を見つけて、牧場スタッフさんに仔馬の情報を教えてもらい、
時々仔馬の様子を見に来て成長を見守って、、、
そしてその馬がデビューするレースを見れる日が来た時ははもう、
「勝って〜!」より先に「無事に!とにかく無事に!」
と必死になってしまいます^^;
そのくらい思い入れがある馬を応援するのはきっと楽しいはずです♪♪
いつかPacallaで仔馬からずっと追いかけるという記事を書いてみたいと思う今日このごろでした^^