馬が彩るこだわりの着物。乗馬倶楽部銀座に老舗呉服店IWAKIYAがオープン!

2020/12/02

カテゴリ:色々なはなし / 人のはなし / Pacallaオリジナル

こんにちは、Pacalla編集部です。皆さんは普段、着物を着る機会はありますか?

今回は普段はなかなか着物に縁がないな~という方も、馬好きなら一度は着てみたい!と思ってしまうような、すてきな着物をつくっている呉服店をご紹介したいと思います。

 

乗馬クラブと呉服店がタッグ!馬が彩る着物

来たる12月5日(日)、日本初のスタジオ型乗馬クラブとして有名な乗馬倶楽部銀座に、明治30年創業の呉服店IWAKIYAがプレオープンします。今回、編集部は一足先におじゃまさせていただいたのですが、銀座の乗馬クラブと横浜の老舗呉服店がタッグを組むとあって、店頭に並ぶ商品はやはりただの着物ではありませんでした!

▲乗馬倶楽部銀座 レッスン風景

▲IWAKIYA 乗馬倶楽部銀座店

 

お店に入ると目に飛び込んでくるのは、馬をモチーフにした着物の数々…。乗馬と着物、一見異色のコラボレーションのように見えますが、どのような経緯で今回のタッグが実現したのでしょうか…?
さっそくIWAKIYA専務取締役の我妻登鷹さんにお話をうかがうことにしました。

 

 

▲IWAKIYA 専務取締役 我妻登鷹さん(36歳)

 

「私は中学生の頃から馬(競馬)が好きで、当時から30歳になっても独身だったら馬を飼おう!と決めていたんです。幸い今は結婚していますが、30歳になったタイミングでは独身だったのでポニーを1頭飼うことにしました。エピという名前のポニーなのですが、本当にかわいくて(笑)。休みの日はほぼ欠かさず、預託先の千葉までエピに会いに行って、世話をするという生活がはじまりました」(我妻さん)

 

▲我妻さんの愛馬エピちゃんとクロエちゃん。
 2頭は親子なんだそう。現在はポニーに加え引退競走馬も1頭飼養しているとのこと。

 

「その当時、馬は趣味だったのですが、それがテレビで取り上げられまして。放送をきっかけに競馬関係者の方からご連絡をいただくようになったんです。そこから、今では多くの競馬や乗馬関係者の方と交流が生まれています。これが今回の企画のはじまりと言えるかもしれません。

呉服店というのは残念ながら斜陽産業です。だからこそ、今まで誰もやっていないこと、オンリーワンのことをしていかなければと思ってきました。そこで、皆さんとの出会いに後押しされ、会社の一事業として、子供たちに馬と触れ合ってもらったり、相馬野馬追のお手伝いをさせてもらったりと、さまざまな活動をはじめました。そうしたなかで、乗馬倶楽部銀座の経営者である諸岡慶さんと知り合う機会があり、諸岡さんのご厚意で実現したのが今回の出店です」(我妻さん)

 

我妻さんが出演されたテレビ番組は、番組ディレクターが街行く人に声をかけ、自宅を訪問してインタビューを行うというもの。つまり、テレビに出演したのはまったく偶然ということです。
もしあの時、我妻さんが街を歩いていなかったら…銀座店の出店計画も、すばらしい着物の数々も生まれなかったかもしれません。縁というのは本当に不思議なものです。

 

一流の職人がつくりだす、こだわりの馬柄

編集部スタッフは、残念ながら普段は着物に縁のない生活を送っていますが、そんな私たちでさえも思わず息をのんでしまうようなIWAKIYAさんの美しい着物。いずれも一流の職人の手によって作られたものです。今回はその一部をご紹介したいと思います。

▲西陣織の鮮やかな着物。異国の馬文化を感じさせます。 馬たちの装いも華やかで美しいですね。伝統行事の情景でしょうか。

▲一目見て「アハルテケだ!」とわかる金色が美しい。砂漠地域の馬独特の神々しさを感じます。
  糸は染めたものではなく、黄金の糸をはく蚕からとれるものを使っているのだそう。

▲布地の色そのものを活かす部分にろうを塗って、馬の柄に染められた一品。
  実際に着物が縫いあがると、後ろ身頃の下部に左右つながった馬の群れが現れます。

 

見ているだけでうっとりしてしまう着物の数々。IWAKIYA 乗馬倶楽部銀座店ではこのような馬モチーフの一点ものを多く取り扱っていくそうです。今後は、海外の人間国宝級アーティストとのコラボレーションも予定されているとのことで、今から新作の完成が楽しみです。

 

我妻さんを支えた競走馬『オジュウチョウサン』

最後に、我妻さんが着物以外のものを見せてくれました。それは着物の帯の糸で織りあげた世界に2つしかないオジュウチョウサンの絵です。1つは我妻さんがオジュウチョウサンを生産した坂東牧場へ贈ったもの。もう1つはここ乗馬倶楽部銀座店で見ることができます。

▲坂東牧場さんへ寄贈した絵と同じオジュウチョウサンの絵。

 

「IWAKIYAはおかげさまで老舗と言っていただけることが多いのですが、とはいえ神奈川のローカルチェーンです。でも大手と差別化して、反骨精神をもってやっていこうと頑張っています。そんな状況を励ましてくれるような存在が、私にとってオジュウチョウサンでした。オジュウチョウサンの競走馬としての生き方を自分と重ねることで、ここまでやってこれたと思っているんです。人生を変えてくれた馬だといっても過言ではありません。この絵はそんな感謝の気持ちを込めて、坂東牧場さんに何か贈りたいということで作成しました。ぜひ銀座にいらっしゃった際には、皆さんにこちらの絵もご覧いただければと思います」(我妻さん)

 

◆◆◆

 

敷居の高い呉服店ではなく、多くの人に気軽に立ち寄ってもらい、馬の話ができるようなお店にできれば…。我妻さんはIWAKIYA乗馬倶楽部銀座店が馬好きの社交場のようになれればうれしいと言います。

12月5日以降、銀座に御用の際にはぜひ、乗馬倶楽部銀座にも足を運んでみてくださいね。

 

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