スクミとえん麦の関係とは!?
2020/02/14
カテゴリ:馬のはなし / 人のはなし
スタッフの中野です。
今年も早いもので2月に入りました。お預かりしている仔達の調教も徐々に本格化してきました。
調教が進むにつれ、強度も増してきて疲労や足元への負担なども注意しなければならない時期です。
そこで、みなさんは「スクミ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
牧場などで働いている方はご存知だと思いますが、一般の方は聞きなれない言葉ではないでしょうか?
僕も最初聞いた時はわかりませんでしたし、実際にスクんでいる馬を見たときは驚きました。
そこで調べてみると
正式名称は「横紋筋融解症」というみたいですが要は強い運動によって筋肉が壊れ溶けてしまうということです。
原因は運動だけでなく、ストレスや炭水化物の過剰摂取にもあるようです。
スクミを起こすと筋肉が痙攣したり痛みを伴い跛行がみられます。
その馬にとってオーバーワークだったという原因ももちろん考えられますが馬を仕上げるためにはある程度調教強度は強めていかなければなりません。
僕は管理栄養士の資格をもっていますので、炭水化物の過剰摂取という観点が気になり考えてみました。
炭水化物は餌の中でもエネルギー源となる栄養素です。
人間でいう「ごはん」の位置づけです。
油のカロリーが高いのはご存知だと思いますが、実は炭水化物とタンパク質は
1g当たりのカロリーが一緒なのはご存知でしょうか?
たんぱく質4Kcal/g、炭水化物4Kcal/g、脂質9Kcal/gとなっております。
炭水化物は一般に食べる量が多いのでたんぱく質よりカロリーが多いようなイメージに
なっているだけです。
同じ量を食べればカロリーは一緒です。脂質は倍以上なので別格ですね。
ということでスクミの話に戻りますが炭水化物を減らした場合同じ量のたんぱく質で補うとカロリーは一緒になりますがあいにくたんぱく質のみの餌となるとサプリになってしまうでしょう。
であれば油を補給するというのがカロリー的にいい方法だと考えます。
しかし、油のみだとえん麦にも含まれるたんぱく質が減ってしまうので配合飼料や大豆かすなどたんぱく質の多い餌も少し足すといいかもしれません。
あとは馬の嗜好や餌の量などを個々に調整して与えればいいと思います。
僕のように厩舎作業や手入れ、飼い葉づくりを主にしている人でも病気やケガを防げるということであれば、正しい知識をつけ乗り役の人とのコミュニケーションをとりより良い馬づくりをしていきたいと思います。