これが競馬だ
2022/03/20
カテゴリ:馬のはなし / 色々なはなし / 人のはなし
先日震災から11年を迎えた3/11金曜日の夜、仕事でイライラしていたこともあり、何か釈然としない煮え切らない心のモヤモヤを取り払えずにいました。
なんとか切り替えなければ。
物事を理路整然と考えたい。
常にいろんなパターンを用意しておいて引き出しを開くだけにしておきたい。
美味しいものを食べている最中に答えを出して明日に向かいたい私には珍しく、煮え切らないこのモヤモヤはなんなんだ?と自問自答の繰り返し。
これは駄目だなと、堪らず馬主さんにお願いして競馬場へ連れて行ってもらうことにしました。
返事が来たのは翌12日の朝、2鞍を乗り終えたころ。
それから急いでシャワーを浴び、久しぶりのスーツに袖を通し、名古屋駅に12時過ぎには到着予定。
すでに東海道新幹線車内でロジヴィクトリア号の勝利の朗報。
体調を崩されて家で療養中だった久米田オーナーと牧場勤務時代の同僚でもある新冠橋本牧場橋本社長、厩舎開業前は一緒に早来で汗を流した新開調教師の喜びの声。
久しぶりの名古屋への道のりはなんだか眩しく感じる。
3年ぶりの中京競馬場は快晴でした。
そもそも競馬場に行くのが昨年の盛岡競馬場でのダービーグランプリ以来。
お客さんの数が想像していたよりも多く、”ちゃんと”歓声も上がっていました。
コロナ前は毎週のように行っていた競馬場。
預託、育成させていただいた馬を馬主さんと一緒に応援する。
なかなかうまくいかない分、勝ったときの喜びは何事にも代えがたい。
そんな中、中京メインの中京スポーツ杯をプリマジア号が快勝。
震災から11年。
時代は変わり当たり前にできるはずのことが当たり前でなくなってしまったように。
なかなか行けなく”遠くなってしまった”近い競馬場に久しぶりに訪れ、預託馬の勝利を馬主さん、調教師さんと分かち合える幸せ。
今回お世話になったプリマジア号藤沼社長はJRAでオープン馬になったのは長い馬主人生で初めてのことだそう。
JRA、NARの馬主さんというだけでも凄いのに数々の成功をされている馬主さんがこぞって土日平日に競馬場を訪れ、熱狂している競馬、馬たちって凄いと思いませんか?
大変で地味な牧場の仕事ですが、たまに訪れるこういう瞬間がこの仕事の醍醐味だなと久しぶりに感じれた春の日の1日でした。