これはなんでしょう?

2018/09/29

カテゴリ:色々なはなし


上・牧草ロールと 下・サイレージ

 

牧草には大きく分けてイネ科とマメ科があり、種類がたくさんあります。
例えばオーチャードグラス、チモシー、アルファルファ、クローバー等です。

この牧草を発酵させてできたものを「サイレージ」といいます。
発酵させるのは、有機酸が増えて栄養分が豊富になり 腐敗菌などを抑え、長期保存ができるからです。

サイレージを作る方法には、タワー型サイロシステムと牧草フィルムを使う方法がありますが、前谷牧場では毎年20個くらいしか作らないためフィルムを使っています。

 

サイレージの作り方

牧草を刈り取る時期は、穂が出始めた晴れた日です。
刈り取った牧草は、水分を蒸散させるため、予備乾燥します。水分が高いままラップをすると、品質が劣化したり、空気がたくさん混じったり、形が崩れてしまうためです。

また、空気が入ると腐敗してしまうため、ラッピングは空気を遮断しなければなりません。
運ぶ際や保管の時には、穴が開かないように注意が必要です。

こうして、水分を60%程度に減らした牧草をロールにします。大型トラクターにロールベーラーを付けて、成形します。成形された牧草ロールは、牧草フィルムを使って、すばやく巻いていきます。

発酵は、ラップして早くて一ヶ月で完成します。

 

 

サイレージ作りのポイント

1.ラップ前の水分調整は40~60%が目安です。
2.空気が混入すると腐敗しやすくなるので、丁寧に運搬します。
3.保管場所はコンクリートや砂利の上など、排水がしやすい平坦なところが良いです。

 

有機酸の効能

牧草を発酵させた際に出来る「有機酸」。
有機酸の中でもとくに「乳酸」は重要な成分です。
乳酸は、飼料の栄養を保存するだけでなく、牧草のphを下げる効果があります。
phが下がると、不良発酵が防がれます。不良発酵菌は酸性に弱いのです。
phは4.2以下が理想です。
※phとは酸性、アルカリ性の度合いのことです。

 

以下JRA育成牧場の記事から引用
”■冬期の当歳馬への乾草の給与
冬期には、低水分ラップサイレージの給餌も可能となります。冬期の昼夜放牧時に、ラップサイレージとロール乾草とを2つ並べて設置し、どちらを好んで食するかを試したところ、圧倒的にラップサイレージを好んで食べました。また、ラップサイレージとロール乾草を交代で、どちらかを1ロールずつ設置したところ、ラップサイレージでは1ロールが5日間で食べ尽されたのに対して、ロール乾草は食べ尽されるのに7日間を要し、ラップサイレージを給餌することによって、採食量は約1.5倍に増加しました。しかしながら、ラップサイレージは、ヒートダメージ(発酵過程で空気と接触することにより好気発酵、品温上昇がすすみ、その結果、品質が低下する現象)や、下痢や呼吸器症状を引き起こす可能性もあるので、注意が必要です。„ 

 

馬達が喜んで食べる牧草サイレージ寒い冬を沢山食べて大きく成長して欲しいですね。
先日の天気で2番牧草の作業も終わって一安心です。これからは忙しい時期に出来なかった雑用作業を頑張ります。

 

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