マイネルダビテ
はじめまして、岡田スタッドの岡田壮史です。
今回は功労馬マイネルダビテについて話したいと思います。
本馬は父である岡田牧雄が初めて自分の名義でレースを使った馬と聞いています。
そして潰れそうな経営状態だった岡田スタッドを救ってくれた馬です。
1986年まで遡りますが、その時の岡田スタッドは繁殖牝馬が10数頭ほどで、
この年も10頭の出産を予定していたと聞いています。
ですが、春先にERV(馬鼻肺炎ウイルス)により9頭の流産があり、唯一の収入源であった
翌年の販売代金が無くなり、倒産をするしかない状態に陥ってしまいました。
マイネルダビテはその前年に購入しており、育成も今はないですが牧場にあった
小さな馬場で父が調教をつけており、自信があったかはわかりませんが、
本馬に牧場の命運をかけた状態だったと思います。
本馬はこの年の夏の函館でデビューして2戦目で勝ち上がり、
当時の函館3歳ステークスで2着と堅実に走ってくれており、
翌年には共同通信杯を優勝するなど活躍してくれました。
この時の賞金がなければ岡田スタッドはなくなっていたと思います。
現在、マイネルダビテは33歳になりますが、健在です。
歯が削れてほとんどなくなってはいますが、今も牧場を見守ってくれています。