土地を探せ!! 生産牧場開業までの道のり3
新規に生産牧場を開業してから初で待望の自己繁殖牝馬の産駒が生まれました。
ストームエンジェルの女の子です。
父ラブリーデイ
母ストームエンジェル(母父ストーミングホーム)
2月7日生まれ 牝 栗毛
今まで何頭もお産に立ち会ってきましたが、夢であった自己馬での出産はまた違った感慨を覚えました。
こうした夢を少しずつでも実現できているのも生産牧場を新規に開業出来たお陰です。
生産牧場の開業までの道のりを残そうとこのブログで取り上げています。
以下、前回の続きです。
私が開業に向けて一番必要なことは“農地を借りる”ということが分かりました。
頼れることにはとにかく頼るしか方法がないので、いろいろと回りました。
勤め先の社長
友達
農協の営農部
役場の産業課
農業委員会
浦河町には20年近く住んでいますが知っているようで知らないことの方が多く、ここで生まれ育った友達や諸先輩方が地元の方々とのいろいろな情報網を活用してくれて、少しずつですが借りられる可能性がある土地も見つかりだします。
農協の営業部にも大変お世話になりました。というより、現在も大変お世話になっています。
農地を借りるという事がどういうことなのか教えていただきました。
農業は重要な産業であり基盤となる農地は貴重な資源であり農地法でさまざまな制限を定められています。
その一つに農業委員会の許可が必要ということが分かりました。
農地自体を投機目的にせず、効率的に利用することを認めてもらわないといけません。そのために営農計画書が必要になり、書き方も教えてもらいながら何度も修正していただき作成しました。農家以外の人が農地を得ることがどれほど大変か分かりました。
サラブレッドが競走馬になるには生産牧場で生まれ育ち育成牧場で人を乗せてトレーニングをしていきます。
生産牧場は農業なので(サラブレッドという農業生産物があるので)第一次産業ですが、育成牧場は農業生産物があるわけはないので第3次産業、つまりサービス業になるということを農協の方から学びました。
生産牧場を立ち上げるための大きな壁がこの農地取得です。これが生産牧場と育成牧場での新規開業での最大の違いと分かります。
借りられる可能性がある土地があると、その土地に合わせて営農計画書を作っていきましたが、実際に借りられるか借りられないかはまた違った問題が絡んできました。
その生産農家に大きな負債がある場合、債権者との話し合いになります。
債権者はお金の回収のため、かなり高額な賃貸料を請求してきます。さらに数年後の買い取りが条件になったりもします。
とてもじゃありませんが、新規就農する者にはそのような土地を借りることは出来ません。
とにかく土地探しには難航しました。
借りられる土地が見つからないまま就職していた牧場を退職する時になりました。社長の気遣いもあり、アルバイトという形でその牧場に勤めさせて頂きながら、新規就農への道を探していくことになりました。
続く
日々の牧場での奮闘記は
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目標は来年2023年の北海道市場です。私自身で申し込むのも初めてなので緊張です。